慢性腎臓病を予防しましょう
慢性腎臓病(CKD:Chronic Kidney Disease)とは、何らかの原因で血液のろ過機能の低下や、蛋白尿が続くことを言います。日本人の CKD患者さんは約1330万人と推定され、 成人の8人に1人に相当します。
気づかずに放置して腎臓の機能が失われると腎不全となり、 透析治療が必要になります。自覚症状は進行するまでほとんどありませんので、健診を受けて早期発見と予防に努めることが大切です。
腎臓病とは
腎臓は、血液をろ過して体の中の老廃物や余分な水分・塩分などを尿として体外へ出しています。更に、血圧をコントロールしたり、赤血球を作るホルモンを作ったり、骨を維持したり、体液の調整などをしています。
CKD(慢性腎臓病)の症状と合併症
初期の段階では、症状はほとんどありません。
進行すると…
検査をうけてCKDを早期発見
健康診断やかかりつけ医の尿検査と血 液検査で発見することができます。
◇尿検査 尿蛋白(―)が正常です。
腎臓が傷んでくると尿蛋白が漏れ出してきます。蛋白の濃度によって(±)(+)(2+)などと表され、多いほど腎臓病の進行が速いです。
◇血清 Cr(クレアチニン)
クレアチニンは筋肉蛋白の老廃物で、腎臓でろ過されます。腎臓でのろ過がうまくいかなくなると血液中に溜まります。
◇eGFR(推算糸球体ろ過量)eGFR は血清 Cr、年齢、性別から計算されます。これは、腎臓が1分間に何 ml の 血液をろ過できるかを示し、60ml/分 /1.73 ㎡以上が正常です。 蛋白尿(+)以上、eGFR60 未満の両方 またはどちらかが3か月以上続く状態を CKD(慢性腎臓病)と言います。
下表のように CKD には6つのステージ(病期)があります。ステージや症状、合併症の有無などで、それぞれの患者さんに合わせて治療をします。
CKDの進行を予防する方法
日本における透析治療の原因の第1位は糖尿病です。次いで多いのは高血圧症や脂質異常症などによる動脈硬化症や加齢が原因で起こるとされている腎硬化症、次いで腎炎などの腎臓の病気です。CKDが進行しないようにするためには、上記の病気があれば良い状態にコントロールする必 要があります。日常生活では、減塩や禁煙をして、 過食や運動不足、肥満、脱水にならないように しましょう。
お薬に注意
① 一部の痛み止めその他、使い方によっては腎 臓に負担をかける薬があります。
② CKDが進むと、今まで使っていて安全だっ た薬が効きすぎたり、副作用が出やすくなることがあります。
③ 糖尿病の人は低血糖を起こしやすくなること があり、注意が必要です。 前もって主治医に相談しておきましょう。